初めての建物の大規模修繕

マンションが築十数年を迎えて、いよいよ初めての大規模修繕を迎える……しかしそこには色々と問題や悩みがあるものです。

初めての建物の大規模修繕いざ修繕をしようと思っても「どこから手を付けていいかわからない」「居住者の理解が得られない」と悩んだり、業者の見積もりを見て「こんなにかかるの?」「修繕積立金の計画に合わない」「この工事は必要なの?」と困惑したり……。

このような困惑をなるべくしないためにも、まずは大規模修繕についての知識や資金繰りについて知っておきましょう。

マンション管理組合・理事の役割

マンション管理組合・理事の役割マンション管理組合とは、分譲マンションを購入した人(区分所有者)たちが、マンションを管理していくために構成する組織のことで、区分所有者は自動的に管理組合に入ることになります。管理組合で実際に管理の方針・問題処理などを行うのは理事会であり、定期修繕工事や大規模修繕工事の計画・実行もその役割の一つです。

大規模修繕工事の主体はあくまでも管理組合と居住者にあり、理事会は「自分たちの共有財産は自らで守る」という意識を居住者に持ってもらうことが大切。居住者として、大規模修繕の関心を高めてもらうことが成功の第一歩といえるでしょう。そのためにも理事は、リーダーシップを発揮して管理組合や居住者様をまとめる役割を担う必要があるのです。

大規模修繕をしないままでいると……?

大規模修繕をしないままでいると……?鉄筋コンクリート製のマンション・ビルは強固なイメージがありますが、経年とともに確実に劣化は進みます。定期的に修繕していくことでその劣化は最小限に抑えられますが、修繕工事をしないまま放置しておくとどうなるか……?

機能低下や劣化が進むことはもちろんですが、建物の安全性が低くなってしまう・資産価値が大幅に低下するということにもなりかねません。また、劣化が進んでしまうといざ修繕工事をしようと思ったときにかかる費用が膨大になってしまうことも。建物を常にベストな状態にしておくためには、定期的な修繕工事を怠らないようにすることが大切です。

修繕積立金の計画を練る

修繕積立金の計画を練るマンションに入居すると、毎月「管理費」と「修繕積立金」の支払いが発生しますが、定期的な修繕工事や大規模修繕工事の費用は、「修繕積立金」から捻出することになります。

新築マンションの場合ですと、管理会社がマンションの規模・これまでの経験値などをもとに長期修繕計画を立て、具体的な「修繕積立金の額」を決めています。しかし、その額は必要最低限の額であり、突発的な修繕などに対応できるほど余裕がないことに注意しておく必要があります。

無理のない積立計画を

マンションに空室ができたり、積立金の滞納があったりなど、修繕積立金が不足するケースは残念ながら散見されます。以下に修繕費用が不足してしまった場合の対策をご紹介いたします。

組合員から一時金を徴収する
不足分を戸数で割った金額を徴収する方法です。手早く不足分を補充でき金利などもかからないというメリットはありますが、各家庭への負担が大きくなってしまうため説得・調整・議決が難航する可能性があります。
自治体・住宅金融支援機構から融資を受ける
管理組合での議決が通りやすく現実的な方法ではありますが、金利がかかるため結果として修繕積立金の増額が避けられなくなります。

修繕積立金の不足を生じさせないためには、長期修繕計画を定期的に見直すことが大事。5年に1度は計画に無理がないかを確認して、不足が懸念される場合は早めに対処し組合員になるべく負担をかけないように努めていきましょう。

自分たちの力でしっかりと計画していくこと

初めての大規模修繕となると、具体的な方法や手順がわからずお困りの方も多いでしょう。しかし、はじめからすべて業者任せにしてしまうのは、あまりおすすめできません。 管理組合内で相談せずに「業者にすべてお任せ」という状態にしてしまうと、業者の提案内容を把握できず適切な判断・決定が下せないばかりか、管理組合内での意見が一致していないと、工事段階になって反対意見が出て進捗が滞ってしまうというケースも起こり得ます。大規模修繕の計画・実施の際は必ず管理組合内でよく話し合ったうえで、工事の内容や委託業者を選定しましょう。また、修繕積立金は色々なシミュレーションを通し、しっかりと 決め、定期的に見直しを心がけましょう。 協立技研では、大規模修繕のやり方がよくわからない・不安だというお客様に対して、プロとしての適切なアドバイスを行っています。何でもお気軽にご相談ください。

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